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消費税増税に伴って一国民として1つだけ言いたこと:社会保障費もしっかり下げて欲しい

(この記事は2012年4月10日に書いたものです。既に消費税増税法案は可決されました。)

今朝のニュースで、自民党が消費税を10%に引き上げることを公約に明記するというニュースがあった。
民主党も消費税増税を打ち出しており、現在の与党と最大野党が揃って消費増税を掲げているわけなので、もはや消費税増税は免れないだろう。

それに日本の財政状況を考えれば消費税増税は已む無しとも考えているし、何より日本人はギリシャ人とは違うので、国の危機に対して団結して取り組まなければいけない。

なので、僕は消費税増税に反対するつもりはない。
しかし、一国民として1つだけ言いたことがある。

それは「社会保障費の削減を同時に行ってほしい」ということである。

日本の財政を立て直すためには、社会保障費を削減しなければ根本的な問題解決にはならない。消費税を増税しただけでは、問題を先送りしているだけなので今の欧州となんら変わらないことになってしまう。

今日はそんなことを、データを使って説明していきたいと思う。
幸い、財務相等のHPを覗いたら既にデータがうまくまとまっていたので後はそれを並べ替えて少しコメントするだけで済みそうだ。


まずはこのグラフを見ていただこう。


(出所)財務相

赤線が歳出、つまり国が1年間で使うお金の額である。青線は税収、1年間の国の収入である。そして棒グラフが国債発行額、つまり国の借金である。

グラフを見ればわかるとおり、国の税収は平成2年(バブル崩壊)をピークに下がり続けている一方、歳出は増加傾向が止まらない。歳出と税収のギャップは開き続け、ギャップを埋めるために国債を発行するので借金が増えている。
非常にわかりやすいグラフだ。

消費税増税というのは、このグラフで言うと青線を上に押し上げる効果がある。しかし青線だけ押し上げても、赤線は依然増加傾向にあるので、根本的な財政問題の解決にはならないことは一目瞭然だろう。
本当に財政を立て直すためには、赤線を押し下げて青線を押し上げなければいけない、つまり歳出を減らして税収を上げるわけだ。ごく当たり前のことなのだが。

続いて、歳出の内訳を見てみよう。


(出所)国税庁


(出所)財務相

上の図は直近の歳出の内訳である。
ご覧の通り歳出の中では、社会保障費が31.1%で最大となっている。また、国債費も要は国の借金に比例して増えるので社会保障費が増えれば増える関係にあると考えると、社会保障費を減らさない限り国債費を減らすことはできない。

また、下の図は、歳出内訳の推移である。
年々増えているのは、社会保障費と国債費であることは明らかである。

ここまでをまとめると、
財政を立て直すためには、税収の増加だけでなく歳出の減少も必要であること、その歳出を減らすためには社会保障費を減らさなければいけないということである。

では、次に社会保障費について考えてみよう。


(出所)財務相

これは、社会保障費の内訳とその推移である。
社会保障給付とは所謂国の費用である。例えば、僕は国民保険に入っているので病院へ行くと3割の負担で済んでいる。残りの7割は誰が払っているのかというと国が払っているのだ。そういった医療関連の費用の他にも、介護・年金関連の費用も青線の社会保障給付費に含まれている。
社会保障給付費(青線)の内訳は、右側の棒グラフで示されているように、年金が最も多くついで医療、介護の順だ。社会保障費の3大キーワードは「年金・医療・介護」であり、これはよくニュース等でも聞く言葉だろう。

赤い棒グラフは社会保険料収入であり、皆さんの給料から天引きさている社会保険料等である。

これも明らかに年を追うごとに費用と収入のギャップが開き赤字が増えていることがわかる。

ここからも明らかなように、国の歳出が年々増えているのは、もちろん社会保障費が年々増えているからである。

では、社会保障費が年々増えているのはなぜか?

答えはもちろん「少子高齢化」である。

先ほど挙げた3大キーワード「年金・医療・介護」のどれも高齢者がよく使うものばかりである。
若者にとって年金は払うものだし、病院はあまり行かないし、介護もほとんど必要ないだろう。
高齢者にとっては反対で、年金はもらうもので、病院には頻繁に通う、そして介護も必要だ。

社会保険料を払う若者が減少し社会保障を利用する高齢者が増えれば、赤字が増えるのも当たり前の構造である。

それを端的に表したグラフが以下である。


(出所)財務相

詳しいグラフの説明はもはや不要なので省略するが、1970年代8.5人で1人の高齢者を負担していたのが、2011年では2.5人で1人の高齢者を、そして2025年の試算では1.8人で1人の高齢者を負担しなければいけなくなる。
2025年の社会保障給付費の予想は151兆円と試算されている。

もはや、この社会保障システムが持続不可能なシステムであることは誰の目から見ても明らかだろう。
消費税を上げただけでは、社会保障費の増加を止めることはできず、根本的な財政問題の解決には繋がらないのだ。
財政問題を真剣に考えるならば、社会保障改革が必要であることは、これらのデータからおわかりだろう。

もちろん自国の危機解決のために痛みを避けることはできない。
だから消費税増税は受け入れなければいけないことだが、目先の利益だけを優先させて社会保障改革を怠れば、消費税増税は痛みだけ残ってなんの効果もなかったということになりかねない。

僕は一国民として、この事実を少しでも多くの国民に知ってほしいと思っている。
そしてその事実を知った上で、次の衆院選で投票を行ってほしいと願っている。


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  • 2014-07-01 06:17
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