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ショッキングな内容だった雇用統計は本当に悪い内容だったのか

先週末に発表された雇用統計はマーケットにとってはショッキングな内容だった。
特に非農業部門雇用者数変化(NFP)が予想の+205kに対して+120kと大幅に下振れたことは最大のネガティブサプライズであり、アメリカに株先は一時1.5%近く下げ、米国金利は大幅に金利低下し最近の上昇分を全て吐き出した。

では、このマーケットの反応どおり、雇用統計の内容が本当に悪かったのか見てみよう。
雇用統計の結果は、先ほど書いた通りNFPが+120kと予想比大幅に下振れ、対して失業率は8.2%と改善を見せている。

NFPの内訳を見てみると、天候に左右されやすい建設業と短期雇用が大きく下振れている。これは事前にも言われていた暖冬効果の剥落である。
一方製造業の雇用は+37kと力強さが維持されており、これはポジティブな要素となるだろう。
短期雇用というのは雇用の先行性が強いので、これが悪かったということは先行きに不安が残る形だが、天候要因があるので、この1回だけの数字ではなんとも判断のしようがない。

このように雇用者数変化に対しては、悲観・楽観意見がまちまちな状況である。

労働時間・賃金を見てみると、週平均労働時間が前月比-0.1時間の34.5時間、時間当たりの賃金は+0.2%と上昇したことから労働所得は前月比横ばいとなっている。

期待が大きかった分期待に届かなかったネガティブ要因はあるものの、中身を見るとそこまで悲観するような内容ばかりではないというのが僕の印象である。

一方失業率については8.2%と改善している。これは労働参加率が減少(再就職を諦めている人の増加)したことによるものなのであまり好感できるものではない。

しかし、労働参加率の低下は今後も続き、失業率もそれに伴い低下が続くという意見もある。
労働市場から撤退している人の内訳は定年退職直前の人が多く、つまりそれは退職時期を前倒ししているという考えだ。
アメリカの年金制度では、年金需給を最速で62歳から需給でき、もちろん早期に需給を開始した場合、受給額は減ることになる。しかし現在は、そうした受給者が増えているようである。
前倒しで退職を迎えているのであれば、彼らが再び労働市場に戻ってくることはないので、労働参加率は今後も低下し失業率の低下傾向も続くのかもしれない。


以上のように、今回の雇用統計は、期待が大きかった分ネガティブサプライズも大きかったが、冷静に考えるとそこまで悲観するような内容なのかどうかというのは、今回1度だけの結果では判断することはできない。
これまでのような期待が縮むことは致し方ないが、今後のトレンドを判断するにはもう少し様子を見る必要があるように感じられる。


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