Entries

ドル円の堅調地合いについて考える


(出所)Bloombergより筆者作成

チャートに示すまでもなく、直近のドル円は堅調に推移している。
2007年から続くレジスタンスは完全にブレイクし200日移動平均線も上回って推移している。
介入の力を借りずにドル円が78円を超えるのは本当に久しぶりだ。

ドル円の堅調地合いの背景を問われれば、多くの人が昨日の日銀の追加緩和によるものと答えるだろう。
たしかに日銀の追加緩和はサプライズであり、これが1つのトリガーになったのは間違いない。

しかし、僕にはそれ以外にドル円が堅調に推移している理由があるように思える。

そもそも、日銀の追加緩和だけでドル円の上昇するのはいくらか不十分な気がする。
日銀の追加緩和によるドル円の上昇を要因分解すると、①円金利(名目金利)の低下、②インフレ期待の上昇と分けることができる。
しかし、ご存知のように日本の金利は既に低位に張り付いており、低下幅は大きくない。
また今回の追加緩和でインフレ期待が上昇したとは思えない。インフレ期待が上がれば日本国債は売られるはずだが実際は買われている。

では次に、ドル円が堅調に推移しているその他の理由を考えてみよう。
ドル円の上昇とは、つまりドルの上昇と円の下落に分けることができる。

円の下落要因は上記に書いた日銀に追加緩和に加えて、日本の経常収支悪化論、日本企業の悪い決算内容、日本のGDPのマイナス成長などが挙げられる。全て円の下落要因だ。

ドルの上昇要因は、アメリカの強い経済指標、それに伴う緩和期待の後退、加えて一部でアメリカの経常収支が長期的には予想以上に改善するのではという声もある。これはシェールガスによる経常収支の改善である。

状況を俯瞰してみると、今は円の下落要因とドルの上昇要因が数多く見られることがわかる。
ここで1つのチャートを見て頂きたい。


(出所)Bloombergより筆者作成

これはFF先物のチャートである。つまり市場による将来のFFレートの予想が反映されている。
下にいけば、FFレートの上昇を予想する向きが増えていることを示している。

このチャートとドル円のチャートを比べてほしいのだが、ドル円の上昇は2月に入ってから始まっている。
同じくFF先物の下落も2月に入ってから始まっている。

つまり、ドル円の上昇はアメリカの緩和期待の後退によるドル上昇という要素も相応に大きいと判断できる。

今後の流れはわからないが、今回のドル円の上昇は日銀の追加緩和だけで説明するには不十分であることを頭に入れておいたほうがよさそうだ。

================================
よりマーケットに近い情報を有料(30日で315円)で配信しています。
詳しくはこちらを参照して下さい。

Use trackback on this entry.
http://globalmacro.blog.fc2.com/tb.php/64-0f518510

Trackbacks

Comments

Post a comment

Post a comment
Only the blog author may view the comment.