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欧州危機の主役に返り咲いたギリシャの問題

欧州危機の主役にギリシャが返り咲きそうだ。
今、ギリシャにはまたもデフォルトリスクが高まってきている。

問題の根本は3月20日に控えるギリシャ国債約170億ユーロの償還資金を確保できるかどうかという問題である(またか、という話ではあるが・・・)。

ギリシャ国債に関しては、昨年10月に50%のヘアカットを行い民間部門の関与を実施する方向で決定した。
現状、IIF(国際金融協会)が民間金融機関を代表してギリシャと具体的な(民間負担の)手順を交渉しているが、先週金曜日に「ギリシャから建設的な対応が得られなかった」という理由で協議を中止してしまった。

民間負担を3月20日の大量償還までに間に合わせるためには、いろいろな事務作業に6週間かかると言われていることから、2月6-10日までには具体的手順を公表できる段階に持っていかなければいけないらしい。
ギリシャ政府はIIFと1月18日に交渉を再開する見通しであると発表しているが、IIF側からの発表はない。タイムリミットが近づいている中で、IIFとギリシャとの交渉が難航していることが1つ目のリスクである。

3月20日償還に向けては、その他にもリスクがたくさんある。

2つ目のリスクは、IIFと合意できたとしてもヘッジファンドが民間負担を拒否する可能性があるということである。
現状ギリシャ国債はマーケットで20セント程度で取引されている。仮に50%の民間負担になったとしても50セントで償還されるわけなので、30セントの裁定機会が存在することになり、ヘッジファンドは今大量のギリシャ国債を買っていると言われている。

また、ギリシャ国債がデフォルトした場合、元本と同額の保証金が支払われるので、そもそもヘッジファンドは民間負担を受け入れない可能性がある。

大量にギリシャ国債を保有しているヘッジファンドが民間負担を受け入れなければ、50%ヘアカットの効果は半減することになる。


ヘッジファンドに民間負担を強制させる方法もある。CACs(キャックスと呼ぶ)と言われる集団行動条項である。
これは、債券保有者の3分の2が民間負担に参加表明すれば、全ての債券保有者にヘアカットを強制することができる条項である。

しかし、ここにも問題がある。
現在、ギリシャ国債の最大保有者はECBである。民間負担だけならECB保有分の債務減免を免除することが可能だが、CACsは全債券に適用されてしまう。
そうなれば、ECBのバランスシートが毀損することは明らかであり、これはドイツが最も嫌うことである。
結局、問題はドイツがECBの機能強化を許容するかどうかということになる…


仮にギリシャ政府が言うとおり18日にIIFとの交渉が再開され早期の合意ができても、ヘッジファンドがその合意を受け入れないかもしれない。CACsの適用にはECB(実質ドイツ)の反対が予想される。

ギリシャ国債の3月償還にはかなり大きなハードルが待ち受けているように感じられる。

3月償還に失敗すればギリシャが正式にデフォルトし、ユーロから離脱が予想される。

さて、ここで考えたいのは、なぜギリシャは一向に改善せず、真摯な態度で交渉に臨まないのか、ということである。
※ギリシャの2011年の財政赤字はGDP比9.6%で、これは目標に届かない数字であった

これはまさに以前書いたハンガリーの記事と同じである。

ギリシャがデフォルトすれば困るのはドイツであり最終的にドイツが救済せざるを得ない、とギリシャは踏んでいるに違いない。

実際、明日17日にはEU/IMF/ギリシャのトロイカ会談が実施され、ギリシャへの追加融資が協議される。民間負担やCACsがうまくいかない場合は、結局はEUとIMFがお金を積みましてギリシャを助けるしか方法がないのだ。


僕にはEUの歴史観や政治観はわからないが、こんなくだらない国を国民の税金を使って助けることが全く理解できない。


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  • 2014-07-01 05:58
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