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ECBの3年物LTROの見解~ダメな銀行と問題ない銀行が区別された?

12月21日に実施されたECBによる3年物LTROの結果は、計523行から4892億ユーロと旺盛な需要が観測された。

このヘッドラインを受けて、ユーロドルのレートは1.3199まで上昇したが、その後すぐに反落した。

反落してしまった要因は、以下の通りだと考えられる。

・4892億ユーロのうち、約2900億ユーロ程度は借り換え需要で、新規需要は1900億ユーロだという観測
・期待されている周辺国債券でのキャリートレード(所謂サルコジトレード?)には繋がらないという見方
・ECBのバランスシートの拡大・マネタリーベースの増加によるユーロの希薄化


今回の3年物LTROを見極める上で、2009年の危機時に実施された1年物LTROの結果は幾分参考になるだろう。
2009年6月に実施された1年物LTROでも、4420億ユーロと旺盛な需要が観測されたが、その時に応札があった銀行数は1000行以上であった。今回が523行からの応札なので、2009年6月時は今回よりも幅広い銀行から需要があったと言える。

2009年は、2008年のリーマンブラザーズ破綻の影響で大手行含め多くの銀行が資金繰りに苦しんでおり、多くの銀行が中央銀行に駆け込んだであろうことを考えると、今回の3年物LTROでは中央銀行に駆け込む必要がある銀行と必要がない銀行とではっきりと区別できてしまったように感じられる。

つまり、ダメな銀行と問題ない銀行との格差が確実に出てしまっていることを物語っているのではなかろうか。


さて次に、ECBのバランスシートの拡大とマネタリーベースの増加について簡単に見てみよう。

たしかに今回の3年物LTROはECBのバランスシートの拡大やマネタリーベースの増加に繋がる。
しかし、それは下のグラフに示すように、今に始まった話ではない。

以下は、ECBのバランスシート総資産額の推移と、マネタリーベースの推移である。
(出所)欧州中央銀行より筆者作成



ご覧のとおり、ECBのバランスシートやマネタリーベースは上昇傾向にある。
ECBはLTRO以外にもSMPなど様々なプログラムを行っているので、徐々にバランスシートは拡大してきているのだ。

ECBは公に量的緩和を宣言しているわけではないが、バランスシートが拡大していることは事実であり、これはボディブローのようにユーロの減価に繋がっていくと考えられる。


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