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ユーロ共通債(共同債)だけでは十分でない可能性

昨日のドイツ国債入札が札割れ(落札分もほとんどが連銀による購入)になったことで、危機がドイツにも波及したとマーケットでは騒ぎになっている。

こういった話を受けて、前から話のあったユーロ共通債の話が急浮上している。
つまり財政統合への道だ。

一部の人の話を聞いているとユーロ共通債を発行すれば万事解決といった風潮にもとれるが、僕はユーロ共通債にそんな万能薬のような効果はない可能性を疑っている。

ユーロ共通債は、よくアメリカでいう米国債だと言われる。つまり、EUがアメリカであり、EUの加盟国はアメリカで言う州なのだ。
アメリカでは、もともと戦費捻出によって悪化した州の財政を助けるために中央銀行が米国債を発行した経緯を持つ。当時のアメリカでも米国債の発行には、なぜ他所の州の尻拭いをしなくてはいけないのだ、という強い抵抗があったが、アレキサンダー・ハミルトンの懸命な行動のおかげで米国債は誕生した。

こういった経緯がとてもよく似ていることから、一部の人は欧州共通債を発行すれば欧州危機は収束すると言っている。


では、一つのデータを見てみよう。
下のグラフはアメリカの各州のCDSである。
(出所)Bloombergより筆者作成


CDSはいわばデフォルトの確率を示している。
ご覧の通り、米国債を発行しているアメリカでも州ごとの財政格差はかなり存在しており、イリノイ州では5年CDSが250bpsを超えてなかなか危険な水準を彷徨っている。

米国債を発行しているアメリカでも、州の財政運営は中央銀行であるFedの助けが必要な状況なのだ。
これは、欧州がユーロ共通債を発行したとしても、ECBが最後の貸し手の役割を担わないことには周辺国の財政危機は拭われないことを意味しているように思う。

肝心のECBは、今のところ最後の貸し手となることには消極的な姿勢を見せている。
ECBは一体どのような危機が起これば腹を括るのだろうか・・・


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