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イタリアは統一通貨ユーロを放棄すれば救われる

危機の震源地であるPIIGSと言われる国にとって統一通貨ユーロ導入のメリットの1つに海外マネーの取り込みがあげられる。
下のチャートはPIIGSの海外からの直接投資額の推移である。
(出所)世界銀行より筆者作成


統一通貨ユーロの発足は1999年だが、その近辺から海外マネーの流入が増えているのがわかる。

特にアイルランドは海外マネーを取り込み、高成長を遂げた典型的な例だ。
しかし世界的な金融危機に際して、マネーを抜き取られたアイルランドがどんな状況に陥ったのかは既にみんなもご存知だろう。
下のチャートはアイルランドの公的債務と財政収支(共にGDP比)の推移である。
(出所)Bloombergより筆者作成


チャートの通り、海外マネーが抜き取られると、財政が悪化し債務が膨張、国として立ち行かなくなってしまった。

周辺国と呼ばれる国の多くは、海外マネーが抜き取られると成長が鈍化してしまい債務が膨れ上がり、同時に自国通貨の価値が低くなることでさらに膨れ上がる対外債務に苦しむことになる。そのため、統一通貨ユーロを放棄することはできない(実は放棄したいが放棄できないジレンマに陥っている国が多いだろう)。

しかし、イタリアはどうだろうか。
たしかにイタリアの債務は世界で3番目に多いが、以前の記事で紹介したようにイタリアの財政は比較的優良だ。
さらに、緊縮財政を進めれば尚一層良くなる。


また、イタリアはG7の一員でありEU圏でドイツ・フランスに次ぐGDPを誇っているわけだから、自国産業がしっかり存在するわけだ。
下のグラフはイタリアの経常収支の推移である。
(出所)Bloombergより筆者作成


ご覧の通り、イタリアの経常収支はユーロ導入以来ずっと右肩下がりである。
またイタリアの輸出に占める対ユーロ圏の割合は50%弱である。

ここから言えることは、イタリアが統一通貨ユーロではなく、自国通貨リラを使っていれば、イタリアリラ安が進み経常収支(貿易収支)を改善するだろうことが想像できる。

財政が優良(さらに改善する可能性あり)で、貿易収支も黒字化すれば税収増につながるので、イタリアの膨大な借金の返済能力にも信頼感が生まれるだろう。

イタリアの状況は他の周辺国とは明らかに異なり、復活できる自力を持っていると考えられる。

今後、イタリアの取るべき行動は、緊縮財政を進め、頃合を見計らって統一通貨ユーロを放棄することだろう。


ギリシャはいずれEUから外されてしまうかもしれない。
イタリアは、頃合を見計らってEUを離脱するべきだと思う。
こうやって、1つ2つとEUを離脱する国が出てきて、いずれEUは解体する時がくるのだろう。それは10年後かもしれないし、もしかしたら3年後かもしれない。
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