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ギリシャ離脱に係るドイツ(中核国)のリスク

先日実施されたギリシャの総選挙で、これまでの最大与党PASOKは議席を大きく減らし、第3党へと後退してしまった。
連立を組むNDが第1党に浮上したものの、NDとPASOKの議席をあわせても149議席で過半数以上となる151には達しなかった。

替わりに大きく議席を伸ばしたのが、緊縮財政に異議を唱えているSYRIZA(シリーザ)である。
このSYRIZAのツィプラス党首(ギリシャ人の名前は発音が難しい…)は早速EU/IMFと合意した内容の破棄を要求した。

総選挙、つまり国民の意思の結果によるこれら一連の出来事を踏まえて、ギリシャのユーロ圏離脱という声が急速に高まってきた。

ユーロ圏のリスクはギリシャだけに留まらない。
ドイツのメルケル首相と共に緊縮財政を推し進めてきたサルコジ大統領は、反緊縮を唱えるオランド候補に大統領選で惨敗してしまった。

また、同じく中核国のオランダでも、連立与党内で財政緊縮策を巡って意見が対立し、内閣総辞職が起こっている。

ギリシャだけでなく、中核国の国民も緊縮財政にNOを突きつけられた格好であり、ユーロ圏の問題はまたスタート地点に戻ってしまいそうな雰囲気が漂っている。


問題が混迷を深めていく中、ギリシャのユーロ圏離脱を予想する声が次第に大きくなってきているわけだが、ここには1つの問題がある。

それは「TARGET2」という問題である。

TARGETとは、ECBが運営している決済システムで、ユーロ圏参加国の各中央銀行の資金調節や民間銀行同士の即時資金決済を行っている。

ドイツのようなユーロ圏の中核国は、TARGET2を通じてギリシャなどの赤字垂れ流しの穴を埋めている。
ギリシャに圧力がかかればかかるほど、ドイツのギリシャに対するTARGET2によるエクスポージャが増大し、ギリシャがユーロ圏から離脱すればドイツに多大なダメージが被ると指摘する者もいる。

貸す者と借りる者、ここでも貸す者の苦悩が浮かびあがってきており、ドイツがギリシャのユーロ圏離脱を断固認めない理由は十分に理解できる。

しかし、ユーロ圏の本質的な問題は、域内不均衡と財政統合の欠如の2つであり、この2つの本質的問題に対して全く手を打たずして問題解決を図ることは難しいだろう。
今の時点で、2つの本質的問題に全く着手してないことを考えると、また、このまま本質的問題が放置され続けるならば、ユーロ圏の崩壊が一歩ずつ迫ってくることは間違いない。

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先日実施されたギリシャの総選挙で、これまでの最大与党PASOKは議席を大きく減らし、第3党へと後退してしまった。連立を組むNDが第1党に浮上したものの、NDとPASOKの議席をあわせても149

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  • 2014-07-01 06:24
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